あの熱狂の“初来日公演”から1年余り。チャゲトルズが、再びやって来る。そのテーマ・ソングとも言うべき新曲を収めたニュー・シングルが完成した。新曲のタイトルは「GO!GO!GO!」。“再来日”に向け、はやる気持ちを抑えきれないといった感じの、颯爽としたロック・チューンだ。
「今回のツアーは全公演ともライブハウスと決まってたから、ライブハウスに似合う楽曲を作ろうと思って。ライブハウスでみなさんが盛り上がってる映像を思い浮かべながら作っていったんです」
 しかも、バンドの音が思いきりグルーヴしている。『&C』というアルバムを作り上げ、それに続く全国ツアーをやり切った自信と余裕がわんぱくなバンドの個性をいっそう自由にさせたようだ。
「バンドとして自分たちがどんな演奏をすればいいか、どんな歌を歌えばいいか、完全にわかってる。僕が言うのもナンですけど、素晴らしいバンドになりましたね。あらためて、バンドというのは進化していくものなんだなということをつくづく感じました」  というわけで、去年のうちゴキゲンなトラックが出来上がっていたのだが、そのままの勢いで歌詞を書き上げてしまっていたら、これほどまでにChageの秘めた思いが真っすぐ届く曲にはおそらくならなかっただろう。
 転機は2月。Chageは宮城県石巻市を訪れた。まだ何も回復していない街に愕然とし、そんな状況にあっても懸命に生きる人たちのたくましさに背筋が伸びる思いがした。被災者の人たちと直接言葉を交わし、もちろんまだ物の支援も十分ではないけれど、それに加えて、あるいはそれ以上に彼らがこころへの支援を求めていることを思い知った。
“ならば、自分にはやれることがある。やりたいことがある”
 石巻から戻った彼のなかに♪生まれてきた意味はきっとここにある♪、そして♪悲しみを追い越せば何が見えて来る♪というフレーズが次々と浮かび、この曲が伝えるべき核心がいよいよ明確になっていった。
 その核心を別の角度から浮かび上がらせるのが、カップリングの「TOKYO MOON」チャゲトルズ・バージョンだ。節電で暗くなった東京の街を照らす月に彼の地への思いを託した、祈りのようなオリジナル・バージョンに対して、チャゲトルズ・バージョンは夜の月の向こうに新しい朝の訪れを感じさせる。
音楽ライター 兼田達矢